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第一章 死と再生 第二章 乱心の『ゼロ』 第三章 誇りを賭けた戦い 第三章 誇りを賭けた戦い-2 第四章 平穏の終焉 第四章 平穏の終焉-2 第五章 二振りの剣 第五章 二振りの剣-2 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~ 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~-2 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~-3 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~-4 第七章 双月の輝く夜に 第七章 双月の輝く夜に-2 第八章 王女殿下の依頼 第九章 獅子身中 第十章 探り合い 第十一章 土くれのフーケの反逆 ~ またはマチルダ・オブ・サウスゴーダの憂鬱 ~ 第十二章 白の国アルビオン 第十三章 悪魔の風 第十四章 土くれと鉄Ⅱ ~ 誉れなき戦い ~ 第十五章 この醜くも美しい世界 第十六章 過去を映す館 第十七章 真実を探す者、真実を待つ者 第十八章 束の間の休息、そして開戦 第十九章 夕暮れに昇る太陽 第二十章 タバサと小さなスタンド使い-1 第二十章 タバサと小さなスタンド使い-2 第二十一章 惚れ薬、その傾向と対策 第二十二章 過去 第二十三章 惚れ薬、その終結 第二十四章 怒りの日 前編
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■ 第一部 ├ ゼロと奇妙な隠者-1 ├ ゼロと奇妙な隠者-2 ├ ゼロと奇妙な隠者-3 ├ ゼロと奇妙な隠者-4 ├ ゼロと奇妙な隠者-5 ├ ゼロと奇妙な隠者-6 ├ ゼロと奇妙な隠者-7 ├ ゼロと奇妙な隠者-8 ├ ゼロと奇妙な隠者-9 ├ ゼロと奇妙な隠者-10 ├ ゼロと奇妙な隠者-11 ├ ゼロと奇妙な隠者-12 ├ ゼロと奇妙な隠者-13 ├ ゼロと奇妙な隠者-14 ├ ゼロと奇妙な隠者-15 ├ ゼロと奇妙な隠者-16 ├ ゼロと奇妙な隠者-17 ├ ゼロと奇妙な隠者-18 ├ ゼロと奇妙な隠者-19 ├ ゼロと奇妙な隠者-20 ├ ゼロと奇妙な隠者-21 └ ゼロと奇妙な隠者-22 ■ 第二部『風のアルビオン』 ├ ゼロと奇妙な隠者-23 ├ ゼロと奇妙な隠者-24 ├ ゼロと奇妙な隠者-25 ├ ゼロと奇妙な隠者-26 ├ ゼロと奇妙な隠者-27 ├ ゼロと奇妙な隠者-28 ├ ゼロと奇妙な隠者-29 ├ ゼロと奇妙な隠者-30 ├ ゼロと奇妙な隠者-31 ├ ゼロと奇妙な隠者-32 ├ ゼロと奇妙な隠者-33 ├ ゼロと奇妙な隠者-34 ├ ゼロと奇妙な隠者-35 ├ ゼロと奇妙な隠者-36 ├ ゼロと奇妙な隠者-37 ├ ゼロと奇妙な隠者-38 ├ ゼロと奇妙な隠者-39 ├ ゼロと奇妙な隠者-40 ├ ゼロと奇妙な隠者-41 ├ ゼロと奇妙な隠者-42 ├ ゼロと奇妙な隠者-43 ├ ゼロと奇妙な隠者-44 ├ ゼロと奇妙な隠者-45 ├ ゼロと奇妙な隠者-46 └ ゼロと奇妙な隠者-47 ■ 第三部『始祖の祈祷書』 ├ ゼロと奇妙な隠者-48 ├ ゼロと奇妙な隠者-49 ├ ゼロと奇妙な隠者-50 ├ ゼロと奇妙な隠者-51 ├ ゼロと奇妙な隠者-52 ├ ゼロと奇妙な隠者-53 ├ ゼロと奇妙な隠者-54 ├ ゼロと奇妙な隠者-55 ├ ゼロと奇妙な隠者-56 ├ ゼロと奇妙な隠者-57 ├ ゼロと奇妙な隠者-58 ├ ゼロと奇妙な隠者-59 └ ゼロと奇妙な隠者-60 番外編 『ゼロと奇妙な隠者と――?』
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ゼロの奇妙な白蛇 第一話 ゼロの奇妙な白蛇 第二話 ゼロの奇妙な白蛇 第三話 ゼロの奇妙な白蛇 第3.5話 ゼロの奇妙な白蛇 第四話 ゼロの奇妙な白蛇 第五話 ゼロの奇妙な白蛇 第六話 ゼロの奇妙な白蛇 第七話 ゼロの奇妙な白蛇 第八話 ゼロの奇妙な白蛇 第九話 ゼロの奇妙な白蛇 第十話 前編 ゼロの奇妙な白蛇 第十話 後編 ゼロの奇妙な白蛇 第十一話 ゼロの奇妙な白蛇 第11.4話
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一部 ~ファントム ブラッド~ ジョナサン使い魔波紋疾走 ジョジョとサイトの奇妙な冒険 ジョージ逆に考える使い魔 石仮面仮面のルイズ ブラフォード使い魔は勇者 ディオ・ブランドーおれは使い魔になるぞジョジョー! 二部 ~戦闘潮流~ ジョセフジョセフ 忘れえぬ未来への遺産 カーズ究極の使い魔 ゼロの究極生命体 シュトロハイムハルケギニアのドイツ軍人 シーザー割れないシャボンとめげないメイジ 使い魔の魂~誇り高き一族~ ワムウ風の使い魔 風と虚無の使い魔 ストレイツォストレイツォ 三部 ~スターダスト クルセイダース~ DIODIOが使い魔!? 承太郎スターダストファミリアー スターダストは砕けない ゼロサーヴァント・クルセイダーズ ンドゥール見えない使い魔 ペット・ショップゼロの番鳥 花京院法皇は使い魔 ゼロのパーティ メロンの使い魔 ヴァニラ亜空の使い魔 ホル・ホース使い魔は皇帝 エンペラー 銃は杖よりも強し ダービー兄ファミリア―・ザ・ギャンブラー ジョセフゼロと奇妙な隠者 アヴドゥルマジシャンズ・ゼロ ポルナレフポルポル・ザ・ファミリアー イギー愚者(ゼロ)の使い魔 ミドラー女教皇と青銅の魔術師 デーボはたらくあくま エンヤ婆エンヤ婆 アヌビス神アヌビス神・妖刀流舞 ボインゴボインゴ ハーミット・パープルゼロの茨 四部 ~ダイヤモンドは砕けない~ 仗助砕けない使い魔 L・I・A 露伴露伴 静つかいまがとおるっ! 露伴 ブチャラティ味も見ておく使い魔 露伴+静使い魔は天国への扉を静かに開く 吉良使い魔は静かに暮らしたい ※デッドマンズQの吉良吉影 康一アンリエッタ+康一 ACTの使い魔 S.H.I.Tな使い魔 スーパー・フライ『鉄塔』の使い魔 虹村形兆几帳面な使い魔 キラー・クイーン爆炎の使い魔 猫草使い魔はゼロのメイジが好き ねことダメなまほうつかい 間田ゼロの奇妙な使い魔(うわっ面) うわっ面の使い魔 億泰アホの使い魔 ミキタカ使い魔ファイト トニオお嬢様の恋人 シンデレラ使い魔は灰かぶり 蓮見琢馬(The Book)ゼロと使い魔の書 五部 ~黄金の風~ ジョルノ杖をとりかえしにいこう! 僕の夢は三色コロネッ! 黄金の使い魔 ポルナレフ白銀と亀な使い魔 ココ・ジャンボ(亀)も登場 チャリオッツ・レクイエム使い魔の鎮魂歌 ジョルノ+ポルナレフジョルノ+ポルナレフ ディアボロ絶頂の使い魔 ディアボロの大冒険Ⅱ 不死の使い魔 ディアボロの大冒険タバサの大冒険 ブチャラティslave sleep~使い魔が来る アバッキオサーヴァント・ブルース 繰り返す使い魔 サーヴァントムーディー ゼロの奇妙な道連れ アバッキオ ナランチャサーヴァント・スミス ナランチャ・アバッキオ・ブチャラティナランチャ・アバ・ブチャ プロシュートゼロの兄貴 偉大なる使い魔 リゾットゼロと奇妙な鉄の使い魔 ローリング・ストーン(ズ)凶~運命の使い魔~ ギアッチョサブ・ゼロの使い魔 メローネゼロの変態 ソルベホルマリン漬けの使い魔 ペッシペッシ ルイズ姉ェの栄光への道 ホルマジオ本気男 フーゴ紫霞(しか)の使い魔 スクアーロ鮫技男と桃髪女 トリッシュ一味違う使い魔 使い魔は刺激的 暗殺チームルイズと愉快な暗殺者たち ブラック・サバス影の中の使い魔 パープルヘイズ グリーンデイパープルヘイズ&グリーンデイ ミスタゼロの臭い魔 セッコドロの使い魔 イルーゾォ使い魔は引き篭り サーレーCRAFT OF ZERO ゼロの技工士 六部 ~ストーン オーシャン~ 徐倫引力=LOVE? 星を見た使い魔 フー・ファイターズフー・ファイターズ、使い魔のことを呼ぶならそう呼べ アナスイアナスイ 承太郎DISC奇妙なルイズ ウェザーゼロの予報図 ヘビー・ゼロ ドラゴンズ・ドリームゼロの使い魔への道 エルメェスお熱い使い魔(キッス)を受け取りなッ! 使い魔の兄貴(姉貴)!! プッチ神父新世界の使い魔 狂信者は諦めない マンハッタン・トランスファー変な帽子みたいな使い魔 エンポリオ子供の使い魔 ティータイムは幽霊屋敷で ホワイトスネイクゼロのスネイク ゼロの奇妙な白蛇 DISCはゼロを駆り立てる C-MOONL7 meets C-MOON リキエル使い魔は空高く 七部 ~STEEL BALL RUN~ リンゴォゼロの世界 リンゴォ+才人+色々ギーシュの奇妙な決闘 マウンテン・ティム微熱のカウボーイ ジャイロStart Ball Run サンドマンサンドマン ジョニィ歩き出す使い魔 Dioスケアリー・サーヴァント マイク・Oマイク・O ファニー・ヴァレンタイン(大統領)D0C 八部 〜ジョジョリオン〜 バオー 来訪者 橋沢育郎ゼロの来訪者 バオー犬ゼロいぬっ!
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DIOが使い魔!? ◆Wbi9AknFck スターダストファミリアー ◆LSP/td4iE2 スターダストは砕けない ◆LSP/td4iE2 サブ・ゼロの使い魔 ◆oviEMgpce6 Start Ball Run ◆k7GDmgD5wQ ゼロと奇妙な鉄の使い魔 ◆PEFli7wTN2 ゼロと奇妙な隠者 ◆4Yhl5ydrxE 使い魔ファイト ◆Ux26ysntzk ゼロのパーティ ◆5ckVgDaSVk アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs ヘビー・ゼロ ◆a97Bny7H1c 愚者(ゼロ)の使い魔 ◆Dv3XctLjy. ゼロのスネイク ◆jW.eGr2I9s 亜空の使い魔 ◆cpD80RhRDE 鮫技男と桃髪女 ◆7/eeytaWnw アヌビス神・妖刀流舞 ◆6Dp6kmr0yc つかいまがとおるっ! ◆1kaqwCsXPI 使い魔は天国への扉を静かに開く ◆1kaqwCsXPI 風と虚無の使い魔 ◆/4V68E5Ojg
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目次 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 トップページ メニュー 更新履歴 各部キャラ トリップ一覧 第一部 使い魔波紋疾走(ジョナサン) 逆に考える使い魔(ジョージ) 仮面のルイズ 使い魔は勇者(ブラフォード) ジョジョとサイトの奇妙な冒険(ジョナサン) おれは使い魔になるぞジョジョー!(ディオ・ブランドー) 第二部 ジョセフ 究極の使い魔(カーズ) ハルケギニアのドイツ軍人(シュトロハイム) 割れないシャボンとめげないメイジ(シーザー) 使い魔の魂~誇り高き一族~(シーザー) ゼロの究極生命体(カーズ) 風の使い魔(ワムウ) ストレイツォ 忘れえぬ未来への遺産(ジョセフ) 風と虚無の使い魔(ワムウ) 戦闘零流(ジョセフ) 第三部 DIOが使い魔!?(DIO) スターダストファミリアー(承太郎) スターダストは砕けない(承太郎…だけ?) 見えない使い魔(ンドゥール) ゼロの番鳥(ペット・ショップ) 法皇は使い魔(花京院) 亜空の使い魔(ヴァニラ) 使い魔は皇帝<エンペラー>(ホル・ホース) ファミリア―・ザ・ギャンブラー(ダービー兄) ゼロのパーティ(花京院) ゼロと奇妙な隠者(ジョセフ) メロンの使い魔(花京院) マジシャンズ・ゼロ(アブドゥル) ポルポル・ザ・ファミリアー(ポルナレフ) 愚者(ゼロ)の使い魔(イギー) 女教皇と青銅の魔術師(ミドラー) はたらくあくま(デーボ) エンヤ婆 アヌビス神・妖刀流舞 ボインゴ ゼロサーヴァント・クルセイダーズ(承太郎) 銃は杖よりも強し(ホル・ホース) ゼロの茨(ハーミット・パープル) 第四部 砕けない使い魔(仗助) 露伴 使い魔は静かに暮らしたい(デッドマン吉良) アンリエッタ+康一 L・I・A(仗助) 『鉄塔』の使い魔(スーパー・フライ) ACTの使い魔(康一) 几帳面な使い魔(虹村形兆) 爆炎の使い魔(キラー・クイーン) 使い魔はゼロのメイジが好き(猫草) ゼロの奇妙な使い魔(うわっ面)(間田) アホの使い魔(億泰) 使い魔ファイト(ミキタカ) お嬢様の恋人(トニオ) 使い魔は灰かぶり(シンデレラ) 味も見ておく使い魔(露伴&ブチャラティ) つかいまがとおるっ!(静) 使い魔は天国への扉を静かに開く(露伴+静) うわっ面の使い魔(間田) ねことダメなまほうつかい(猫草) ゼロと使い魔の書(蓮見琢馬(The Book)) S.H.I.Tな使い魔(広瀬康一) 反省する使い魔!(音石明) 第五部 杖をとりかえしにいこう!(ジョルノ) 絶頂の使い魔(ディアボロ) slave sleep~使い魔が来る(ブチャラティ) ゼロの兄貴(プロシュート) 偉大なる使い魔(プロシュート) ゼロと奇妙な鉄の使い魔(リゾット) 白銀と亀な使い魔(五部ポルナレフ、ココ・ジャンボ) 凶~運命の使い魔~(ローリング・ストーン) サーヴァント・ブルース 繰り返す使い魔(アバッキオ) サブ・ゼロの使い魔(ギアッチョ) ゼロの変態(メローネ) ホルマリン漬けの使い魔(ソルベ) ディアボロの大冒険Ⅱ(ディアボロ) サーヴァントムーディー(アバッキオ) ナランチャ・アバ・ブチャ ペッシ 本気男(ホルマジオ) 紫霞(しか)の使い魔(フーゴ) 不死の使い魔(ディアボロ) 鮫技男と桃髪女(スクアーロ) 一味違う使い魔(トリッシュ) 使い魔は刺激的(トリッシュ) ゼロの奇妙な道連れ(アバッキオ) ルイズと愉快な暗殺者たち(暗殺チーム) 僕の夢は三色コロネッ!(ジョルノ) パープルヘイズ&グリーンデイ 影の中の使い魔(ブラック・サバス) 使い魔の鎮魂歌(チャリオッツ・レクイエム) タバサの大冒険(ディアボロの大冒険) サーヴァント・スミス(ナランチャ) ルイズ姉ェの栄光への道(ペッシ) ゼロの臭い魔(ミスタ) ドロの使い魔(セッコ) ジョルノ+ポルナレフ アバッキオ 使い魔は引き篭り(イルーゾォ) CRAFT OF ZERO ゼロの技工士(サーレー) 黄金の使い魔(ジョルノ) 第六部 引力=LOVE?(徐倫) フー・ファイターズ、使い魔のことを呼ぶならそう呼べ(F.F.) アナスイ 星を見た使い魔(徐倫) 奇妙なルイズ ゼロの予報図(ウェザー) ゼロの使い魔への道(ドラゴンズ・ドリーム) お熱い使い魔(キッス)を受け取りなッ!(エルメェス) 新世界の使い魔(プッチ) 変な帽子みたいな使い魔(マンハッタン・トランスファー) 子供の使い魔(エンポリオ) ヘビー・ゼロ(ウェザー) ゼロのスネイク(ホワイトスネイク) ゼロの奇妙な白蛇(ホワイトスネイク) DISCはゼロを駆り立てる(ホワイトスネイク) L7 meets C-MOON(C-MOON) 使い魔の兄貴(姉貴)!!(エルメェス) 狂信者は諦めない(プッチ) 使い魔は空高く(リキエル) ティータイムは幽霊屋敷で(エンポリオ) 第七部 ゼロの世界(リンゴォ) 微熱のカウボーイ(ティム) ギーシュの奇妙な決闘(リンゴォ他) Start Ball Run(ジャイロ) サンドマン 歩き出す使い魔(ジョニィ) スケアリー・サーヴァント(Dio) マイク・O D0C(大統領) バオー ゼロの来訪者(橋沢育郎) ゼロいぬっ!(バオー犬) 短編 小ネタ 完結作品 スターダストファミリアー(承太郎) スターダストは砕けない(承太郎…だけ?) 『鉄塔』の使い魔(スーパー・フライ) 几帳面な使い魔(虹村形兆) お嬢様の恋人(トニオ) 奇妙なルイズ ゼロの使い魔への道(ドラゴンズ・ドリーム) 不死の使い魔(ディアボロ) サーヴァント・スミス(ナランチャ) 味も見ておく使い魔(露伴&ブチャラティ) ゼロいぬっ!(バオー犬) ゼロと奇妙な隠者(ジョセフ) 新着情報 取得中です。 タグ検索 and or タグ一覧 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
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ゼロの奇妙な道連れ 第一話 ゼロの奇妙な道連れ 第二話
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ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、万全を期していた。 トリステイン魔法学院で二年生に進級する時に行われる『春の使い魔召還の儀』に向けての練習、そしてコンディション。共に完璧。 魔法が使えなくとも、せめて使い魔だけはと言う思考があったのは認めるが、彼女が召還に拘ったのは別の理由がある。 そもそも使い魔とは召喚者。 つまりはメイジのその後の属性を決めるのに重大さを持っている。 確かに、自らのパートナーとしての側面も持ち合わせてはいるが、それは飽くまで二次的なモノ。その証拠に使い魔には代えが利くが、新たに呼び出される者は全て、決定された属性に関係のある生物だからだ。 ルイズは、この属性を決めると言う箇所に望みを掛けていた。 つまり、自らが召還した使い魔の属性を辿れば、自分の魔法の属性を知ることが出来るのでは無いかと。 それ故に、ルイズはこの召喚に失敗する訳にはいかなかった。 「宇宙の果てのどこかを彷徨う私のシモベよ……神聖で美しく、そして強力な使い魔よ、 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに…答えなさいッ!!」 呪文はオリジナルのモノであったが、自分の中にある全ての魔力を注ぎ込んだ呪文は、それに見合っただけの大爆発を起こしてくれたのだった。 「ゲホッ……ゴホッ……」 爆発によって舞い上がった粉塵が、喉に張り付く不快感に咳が出る。 こんなはずじゃない。こんなはずじゃない。 自分は、最高の使い魔を召喚するはずだったのに、なんで爆発が…… 己が『ゼロ』であると再認識させられたルイズは、心の中にあった最後の自尊心すら、自らが放った爆発で粉々に吹き飛ばしてしまい、力なく、その場に座り込んだ。 「あっはっはっ、見ろよ。やっぱり失敗だったんだ」 「所詮、『ゼロ』は『ゼロ』って事よねぇ」 「あ~、これであいつも、ようやく退学になってくれるだなぁ~」 「これで、やっと授業を安全に受けられるよ」 ゲラゲラと耳障りな嘲笑を受けながら、ルイズは空っぽになった心で思っていた。 魔法学校を退学になった自分は、どうなるのだろう。 実家に戻る? あの由緒正しきヴァリエール家に、魔法も使えない自分が? それは我慢ならない。プライドがどうこうでは無い。 そんなものは、先で述べたように砕け散っている。 あるのは、家族に迷惑が掛かるという思いだけだ。 「どうしよう……」 失意の呟きを口に出すが、答えてくれる者はこの場に居ない。 ただ、ゲラゲラと耳障りな笑い声だけが辺りに響く。 何が引き金だったのか、行動を起こしたルイズ自身、分からなかった。 単に堪忍袋の尾が切れただけなのかも知れないし、もしかしたら、ただの気紛れだったのかも知れない。 ともかく、ルイズは思ったのだ。 この喧しい笑い声をしている連中を今すぐ黙らせたいと。 変化は劇的だった。 一際大きな笑い声を上げていた肥え過ぎた生徒の悲鳴が響いたかと思うと、辺りの生徒達もまた、一斉に悲鳴を上げ始めた。 あまりにも煩わしい悲鳴だったので、ルイズはなんとなく顔をそちらへ向けた。 何か、白い何かが生徒の身体を殴りつけている。 その何かは、ルイズがこちらを見ている事に気がついたのか、精肉場に胸を張って持っていける生徒に最後の蹴りを入れ、青草を踏み鳴らしルイズの目の前へと立った。 奇妙な姿だとルイズは思った。 全身が太い白の線と細い黒の線の横縞模様で、その縞模様の間に「G」「△」「C」「T」という形のマークがある。 そして、これが一番の特徴になるのだろうが、頭部に黒いマスクを被っている。 ―――こいつだ 妙な確信がルイズの中で蠢き、契約の呪文を紡がせる。 全ての言葉が自分の口から出終わり、相手の唇に口付けをしようとすると、奇妙な姿の者もルイズが何をしたいのか分かったらしく、膝を折り、中立ちになってルイズの唇を受け入れた。 「あんた……何?」 契約が完了したと同時に、ほぼ無意識の内にルイズの口から言葉が漏れる。 その漏れた言葉に、契約が完了し、左手にルーンを刻まれている奇妙な姿の者は 「ホワイトスネイク―――ソレガ私ノ名ダ」 神託のように深き言葉を紡ぎだした。 「それでコルベール君、被害の方はどの程度に治まったのかのぉ」 厳格な態度と雰囲気を持つ、このトリステイン魔法学校の長であるオールド・オスマンは、冷や汗でただでさえ光を反射する頭皮を、さらに鏡近くまで存在を昇華させている、 コルベールを見ながら厳かに問い質した。 ミス・ロングビルに蹴られながら どうかと思う。 「はい、その、ミス・ヴァリエールが呼び出した使い魔は、召喚されたショックからか、生徒達の中で最も肥満な……失礼、最も体積が大きく目立った、ミスタ・グランドプレを襲って、彼に全治半年の大怪我を負わせました。 幸い、すぐに治療した甲斐もあって、半年が一ヶ月に縮まりましたが、それでも大怪我には変わりありません」 コルベールは必死だった。必死で目の前の光景から目を逸らし続ける。 見たら終わりだ。見たら自分もアレに巻き込まれる。 そんな思いで冷や汗を掻きながらの報告を終えると、丁度良い感じに蹴られ続けたオスマンが立ち上がり、革張りの椅子へ蹴られ続けたお尻を気にしながら座る。 ロングビルも、蹴り飽きたのか自分の仕事へと戻っていた。 「ほ~、中々酷い有様のようじゃったらしいが、ミス・ヴァリエールは『コンタクト・サーヴァント』は済んだのかの?」 「はい。ミスタ・グランドプレを医務室に運んだ後に、私自身が使い魔のルーンを確認しました」 ふむ、とオスマンは一度頷き窓の外へと視線を向ける。 窓の外では、黒い髪のメイドと料理長が雇ってくれと頼み込んできた黒髪の少年が洗濯物を干し、太陽の光を体一杯に浴びていた。 そんな如何にも平和な光景を目にしながら口を開く。 「契約が完了したのならばそれで良い。ミスタ・グランドプレには災難だが、召喚の際の事故は誰にでもある。 このわしでさえ、召喚したての使い魔には色々と苦渋を舐めさせられたものじゃ」 そういって、顔を顰めるオスマンにコルベールは、確かにと同意を口にする。 オスマンの使い魔をコルベールは見た事は無かったが、彼ほどのメイジならばドラゴン並みの魔獣の類を召喚したのだろう。 「では、ミス・ヴァリエールにはお咎め無しと言うことで?」 「うむ」 重厚なオスマンの頷きにコルベールは先程の光景をすっかりと忘れ、では、自分は仕事に戻りますと部屋を出て行った。 オスマンとロングビル。 二人きりになった部屋で、ロングビルが思い出したように呟く。 「先程……」 「んっ?」 何かな、と疑問な顔でロングビルのお尻を撫で回そうと手を伸ばすオスマン。 「召喚したての頃は色々と苦渋を舐めさせられたと言っておりましたが、それは今も変わっていないのでは?」 静かに返答をしながら、伸びてきた腕を思いっきり抓るロングビル。 「何を言っておる」 痛みの所為か涙目になっているオスマンが言葉を返すと、机の一番上の引き出しを開けた。 そこには、彼が楽しみにしていた菓子折りが入ってるはずであったが、 開けた瞬間、彼の目に飛び込んできたのか、白いハツカネズミ。 「なっ、モートソグニル……お主……わしが楽しみにしていた、ゲルマニア産の菓子折りを……」 オスマンは苦渋を舐めたような渋面で、菓子折りの中身をボリボリと食べる使い魔のネズミを見つめるしかなかった。 「う~~~ん」 部屋に戻ってきたルイズは唸っていた。 拙い……拙すぎる。 何が拙いと言うと、先程の自分の醜態である。 召喚の際、爆発が起こり失敗したと思った自分は、一瞬、何もかもが馬鹿らしくなり、全てを投げてしまった。 今になって冷静に考えてみると、一回の失敗であんな風に落ち込むなど自分らしくなく、明らかに普段思い描いている貴族像からも逸脱していた。 さらに痛恨なのが、その落ち込んでいた場面を、あのキュルケに見られてしまった所だ。 (あ~、明日は絶対に弄られるじゃないっ!) キュルケがその豊満な肉体を見せつけながら、自分に対してからかってくる様を想像して、それがあんまりにもリアルだったので、ルイズの唸り声は、一段高くなった。 (それにしても……) とりあえず、キュルケの問題は棚上げにし、ルイズは自分の使い魔となった亜人と思われる生き物を見上げた。 自分のすぐ傍に立っているその亜人は、ホワイトスネイクと名乗り、召喚してからすぐ、マリコルヌを精肉屋に持っていける程にしてしまった。 その様を見たルイズは、胸がスッとしたが、とりあえずあの時は自分の召喚が 成功していたと言う事実の方が頭に浮かび、あまり記憶が残っていない。 それでも、ファーストキスでもある『コンタクト・サーヴァント』をした事は、確りと憶えている。 (あっ、そうか、よくよく考えると、私ってこいつとキスしたんだ……) 人間、何事でも始めての相手には情が移る者である。 ルイズもまさにそのとおり――――――ではなかった。 (こんな……こんな奴が、私のファーストキスだなんて、ぜっっっっっったい、認めないわっ!!) 流石に言葉には出さなかったが、頭を抱えて、う~う~と唸るその様は、傍から見ると不気味以外の何者でもない。 その唸っている自分の本体を余所にホワイトスネイクは、ただ部屋の入り口に立っていた。 ホワイトスネイクは、自分の存在について考えていた。 天国へと行く為の方法によって、ホワイトスネイクと言う存在は、さらなる高みの存在へと昇華し、記憶をDISCとする能力を持った自分は、確かに別の存在になったはずであった。 それが、今はどうだろうか? さらなる高みの存在―――『メイド・イン・ヘヴン』の時の記憶もあれば、世界が『一巡』した新世界における記憶すら今のホワイトスネイクは持っている。 (ドウイウコトナノダ、コレハ……) 自分が、まったく別の存在になった時の記憶も持っている事に、本来ならそのようなモノとは無縁であるはずのホワイトスネイクに、言い知れぬ『不安』と言うものを感じさせていた。 ……感じさせていたが、すぐにその『不安』をホワイトスネイクは忘れた。 『不安』に思う過去など自分には必要無い。何故なら自分はスタンドだ。 自分に必要なものは、本体に絶対服従の忠誠心と能力だけである。 他の事柄など、思考を割くのも無駄である。 そうして、ホワイトスネイクは、自身が何故、存在しているかと言う疑問と、自分と言う存在でない者の記憶が何故あるのかと言う、二つの疑問を無意識のさらに底まで封印した。 これで良い。これで自分は『不安』を持つことは無い。 次にホワイトスネイクは、左手の奇妙な痣の事を考え始めた。 ホワイトスネイクを現す四つのマークではなく、明らかにそれとは違う形をしているこの奇妙な痣。 解析する為に、DISCとして形にしてみると、面白いことが分かってきた。 どうやら、この奇妙な痣は使い魔のルーンと言うらしく、武器を持つことによって自分の上がるものらしい。 さらに言えば、性能を上げるだけでなく、その武器の使い方を瞬時に理解することさえ可能と言う、まさに『兵士』の為のルーン。 (ダガ……私ニハ、不要ノ長物ダナ) ホワイトスネイクの戦闘方法は、まず、敵に触れることにある。 記憶をDISCと出来る自分にとって、相手に触れると言う事は、すでに相手の命を手にしていると同意義なのだ。 その敵に触れる攻撃が一番しやすいのが、徒手空拳。 つまり、素手による殴打である。 確かに、性能の補正は魅力的だが、補正の条件が感情を高ぶらせる事であり、スタンドで、尚且つ冷静と言うよりは、無感動に近い自分には大した補正は乗らないだろう。 以上の事等から、武器などを使うと、逆に自分の戦闘能力は下がってしまうと、ホワイトスネイクは考えた。 そして、最後の問題である現在の自分の本体をホワイトスネイクは見た。 桃色の髪をした幼い少女。 高慢であり自尊心だけが無駄に肥えたこの少女が自分の本体であることに、ホワイトスネイクは特に何の感慨も抱かなかった。 ただ、前の本体のような性能を自分は発揮できないであろうな、と思っていた。 スタンドとは、もう一人の自分である。 肉体的な自分が本体とするのならば、精神的な自分であるスタンドの強さは、本体の精神の強さに依存する。 その点で言うならば、ルイズの精神は、元の本体のような、『絶対の意思』を持っておらず、ただ只管に脆弱であるだけ。 弱くなるのも当然であった。 「ねぇ、ちょっと、あんた」 自分の使い魔に、精神的に弱い奴と思われていることを知らずに、ルイズはホワイトスネイクを呼ぶ。 ようやく、あのキスは契約の為に仕方なくしたものであり、ノーカンであると言う結論に至ったので、ホワイトスネイクに使い魔として役割を言い聞かせることにしたのだ。 「召喚されたばっかのあんたに、使い魔の役割を説明してあげるから、ありがたく思いなさいよ 良い、まず、第一に使い魔は主人と目となり、耳となる能力が与えられるわ」 そこまで言ってから言葉を区切る。理由は些細な好奇心。 ホワイトスネイクの見ている世界は、どんなものなのだろうと思い、意識を集中してみるが……見えない。 「ちょっと! どういうことよ!」 詐欺られた気分だ。本来なら、簡単に使えるはずの使い魔との視聴覚の共有が出来ないなんて。 心の奥底には、自分が『ゼロ』だから出来ないのでは? と言う考えも浮かんでいたが、それは認める事の出来ない原因だ。 なので、使い魔の所為にすると言う暴挙に出たのだが、ホワイトスネイクは冷淡な目で自分を見るだけ。 ルイズはもしかして、こいつも自分の事を見下しているじゃないのかと、段々と疑心暗鬼の思いで心が侵食されるのを感じていたが、その冷淡な目付きのまま、使い魔が口を開く。 「ソンナ『認識』デハ、出来ルコトモ出来ナイ。モット、強ク『認識』スル事ダ。 空気ヲ吸ッテ吐クコトノヨウニ、HPノ鉛筆ヲヘシ折ル事ト同ジヨウニ、自分ナラ、出来テ当然ノコトト思ウノダ」 「わっ、わかってるわよ!」 ホワイトスネイクの説教染みた言葉に、プッツンしそうになるが、なんとか堪えて意識をまた集中させる。 ―――集中 ――――――集中 ―――――――――集中 ――――――――――――っ! 一瞬、ほんの一瞬だが、自分の姿が視えた。 自分より背の高い者から見た、見下ろされた自分の姿。 それが、ホワイトスネイクの見ている風景だと気付いた時、喜びと……怒りが同時に込み上げてきた。 「なんで一瞬なのよっ!」 そう、何故だか一瞬で消えた映像にルイズは怒りを爆発させていた。 もっと、持続できなければ視界を共有しているとは、まったくもって言えない。 「マダ、『認識』ガ足リナイラシイ。モット、時間ヲ掛ケテ、私ヲ、自分デアルト『認識』スレバ、自然ト見エテクル」 悔しいが、使い魔の言う通りだろう。もっと、もっと、時間を掛けなければ、自分は使い魔の視聴覚を感じられない。 しかし、逆に考えて見れば、時間さえ掛ければ自分は使い魔の目と耳を感じられると言う事だ。他のメイジのように。 「まったく、今、出来ないんじゃ意味無いわよ。次よ、次」 さも不機嫌な感じで言葉を口にするが、内心は自分も、ようやくメイジらしいことが出来るようになるかも知れないと、今すぐにも踊りだしそうであった。 「次は、そう、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば、秘薬とかね…… と言うか、あんた亜人だけど、秘薬って分かるの?」 秘薬を見つけるのは、主に動物系の使い魔の仕事だ。 見るからに亜人なこいつでは、見つけるのは無理かなと、聞いてみると、予想通りに首を横に振ってきた。 「まぁいいわ。秘薬なんて、どうせ買えば済む話だし…… それより、これが使い魔の役割で一番大切な事なんだけど、使い魔は主人を守る存在なのよ」 マリコルヌをフルボッコにしたホワイトスネイクをルイズは見ていたが、それで満足する程、ルイズの使い魔に対する注文は低くない。 自分の使い魔であるならば、最強、最優。 そうでなければ、自分の使い魔として意味が無い。 「私を守る為の存在のあんたは、強いの?」 「世界ヲ操ル男ガ、私ノ元本体ニ言ッタ言葉ガアル。 ドンナ者ダロウト、人ニハソレゾレノ個性ニアッタ適材適所ガアル。 王ニハ王ノ…… 料理人ニハ料理人ノ……ナ」 「何が言いたいのよ」 「『強イ』『弱イ』ト言ウ概念ハ、ソレ単体デハ存在シナイ。 ソレガ存在スルノハ、比較スル対象ガ居ル場合ニ限ル。 ダガ、私達ニハ、比較スルベキモノガ存在シナイ。 一人、一人、役割ガマッタク違ウノダカラナ」 確かに同じ役割の中でなら強さを測ることは出来る。 しかし、僅かにでも役割が違う者同士で強さを測ることなど不可能なのだ。 スタンドもそれと同じ。 スタンドの能力は、特別な場合を除き、被る事などありえない。 それ故に役割は決して被らず、その為比較すべき対象が存在しないので『強さ』や『弱さ』も存在しないと言いたかったのだが、 ルイズはその真意を汲み取る事など出来ず、訝しげな顔で饒舌な使い魔を見ている。 「そんな小難しいことを聞いてるんじゃなくて、私はあんたがどのくらい強いかを聞いてるのよ!!」 これにはホワイトスネイクも参る。 仕方なく、子供が遊びで話すスタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い? と言うレベルで説明するしかないかと思い、窓の外を飛んでいた梟を窓枠に近づいてきた瞬間、恐るべき速さで梟に反応される前に体をがっしりと掴んだ。 「あんた……」 その早業にルイズは驚きで声を上げそうになったが、使い魔の手前、外見上は眉を動かすだけだ。 こいつ……とてつもなく、早い。 これは期待できるかも、と内心の期待からホワイトスネイクを見つめていると――― ―――ぞぶり、と生理的嫌悪の走る、おぞましい音がルイズの耳に届いた。 なるほど、梟の頭に自分の指を突き刺したのか。 いきなりの使い魔の凶行に、ルイズは完全に思考停止し、その様を見つめていたが、きっかり三秒後には再起動を果たす。 「あっ、あんた、何してのよー!!」 寮の窓近くを飛んでいた事から、誰かの使い魔と思われる梟を、自分の使い魔が、何を思ったのか、頭に指を突っ込んで殺してしまった。 そのあまりのショッキングな内容に金切り声をあげるが、ホワイトスネイクは 「―――出来タ」 と謎の言葉を発し、指を刺した時から動かない梟を、 興味を失った玩具を捨てる子供のように、ポイッと気持ちの良いぐらい、あっさりと窓の外に捨てた。 「なっ!」 その行動に驚きの声をあげるルイズであったが、次の光景を目にした瞬間、自分は現実にいるのか心配になってしまった。 頭に指を刺され、死んだはずの梟が、また窓の外を飛んでいるのだ。 「嘘っ……なんで」 死んでなかった? いや、指を刺されてからぴくりとも動かなかったのに……そんなはずは…… 混乱しているルイズを尻目にホワイトスネイクが、片手を窓の外に振ると、梟がそれに気付き、窓枠に留まる。 ホーホー、と良く響く声で一頻り鳴いた後、梟の頭から何かが出てきた。 ピザをもっと平べったくしたような形をした何かが、からんと音を立てて床に落ち、それにあわせ、梟も先程のようにぴくりとも動かなくなる。 ゆっくりとした動作で梟から落ちた円形の何かを拾う自分の使い魔に、ルイズは知らず、ジリジリと後退していた。 それは恐怖か? それとも、驚きからか? どちらにしても、今のルイズには関係無い。 空気を求める金魚のように、彼女はパクパクと口を開けて、ホワイトスネイクを見ることしかできない。 ホワイトスネイクは、そんな自分の本体に見向きもせずに、手の中で梟から抽出した何かを弄んでいる。 「コレハDISCト呼バレルモノダ」 感情の色がまったく込められていないはずのホワイトスネイクの声が何処となく得意げに聞こえるのは、その力が彼の存在理由だからだろうか。 「私ノ能力ハ、生物ノ『記憶』ヲDISCトシテ抜キトル事ガ出来ル」 記憶を抜き取る。 今、自分の目の前にいる使い魔は確かにそう言った。 「……本当に?」 そんなことが出来るのか? いいや、できるはずが無いと否定の考えが頭に浮かぶが、部屋の床に転がった梟の虚ろな瞳を見て、もしや……と疑問が鎌首を擡げる。 もし、仮にこの使い魔の言う事が全て真実であるとするならば、自分はなんてものを召喚してしまったのだろうか。 記憶を抜き取る自分の使い魔の力に、ルイズの身体は震えていた。 それは、恐るべきものを召喚してしまった恐怖か――― それとも、そのような強力な力を持つ者を召喚してしまった喜びか――― ――――――自分の身体だと言うのにルイズ自身、どちらなのか分からなかった。 『風上』のマリコルヌ……全身を乱打され、重症。 クヴァーシル……『記憶』DISCを抜かれ、生きる目的を失い、再起不能 戻る 第二話
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ゼロと奇妙な隠者・幕間劇、もしくは。 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーの憂鬱 フリッグの舞踏会も終わり、学院には宴の後特有の弛緩した静かな空気が流れていた。 我らが『微熱』のキュルケも、そんな空気に当てられたか、深夜だというのに自室のベッドの上で一人、ヘビードールを纏って寝転んでいるだけだった。 「きゅるきゅる」 『今夜は誰かと同衾しないんですか』と暖炉の中から問いかける使い魔。明日は雨だな、とサラマンダーであるフレイムは憂鬱な気分になった。 「あー……今夜はいいかなって思ってるのよねー。ちょっと思うところあって」 月の物でないことは重々承知している。まあ月の物の真っ最中だろうがこの主人は構わず生徒を食っちまう点があるというのに、体調のいい時分に一人寝を選んでいるというのはかなり珍しいことである。 今のキュルケからは平素のように恋愛にうつつを抜かしている感情は感じられない。むしろ物憂げというか、憂鬱な気分を感じるのは初めてと言ってもいい経験だ。 この情熱的な主人でもメランコリーになる夜は存在してるのだなあ、と、妙な所で感心していた。 「きゅるきゅる」 『そう言えばヴァリエールさんところのジョセフさんを部屋にお呼びしないのはどうしてですか』と、前々から疑問に思っていた質問を聞いてみることにした。 使い魔達の中でもジョセフの人気は大したものである。特にエサをくれるわけでもないし何かをしてくれるというわけでもないのだが、何故か一緒にいたくなる雰囲気がある。 カエルからバクベアードまで幅広く人気があるというのもおかしな話ではあるが、実際そうなのだから仕方がない。 元々いい男だし、なまっちょろい学院の生徒にはないワイルドさや鍛えられた身体。ユーモアセンスは言うまでもないし、何より男にしか目が行かないというわけでは決してない。 恋愛狂と称してもいいくらいの主人がこれだけ好条件の男を部屋に呼ばない、というのは奇妙なことに思えて仕方ないのである。粉はかけているようだが、それもルイズをからかう材料にしているだけのレベル。 使い魔の疑問に、キュルケは苦笑しながら身を起こした。 「いやー……本当なら呼んでるところよ? むしろ呼ばない理由がないというか」 「きゅるきゅる」 『じゃあなんで呼ばないんですか』という質問に、キュルケはやっと身を起こした。 「あー……呼んだらからかうとかいうレベルですまないというか。何と言うか、直感?」 「きゅる?」 常日頃からツェルプストーとヴァリエールの因縁は聞かされている(主に桃色から)。 キュルケは特に意識はしていない……というか、気にもしていない様子だが、ヴァリエールの方は意識しっぱなしで、ジョセフとキュルケが立ち話をしているだけでキレていた。 それはもう懸命にツェルプストーの家は汚いだとか成り上がりだのときゃんきゃんわめいているのだが、ジョセフは右から左でハイハイといなしている。それがまた気に入らない、とキレまくるのをフレイムも何回も見ていた。 「きゅるきゅる」 『でもあの調子なら、大体こんな感じで笑い話になるんじゃないんですか?』と、私感を述べてみるフレイム。 ①・フレイムの予想 ジョセフを部屋に連れ込んだキュルケ。ジョセフはいい年してスケベだから誘惑されようモンならホイホイとついてっちゃう。で、ベッドにいざ来ようとした段階でルイズが乗り込んできて一悶着あった上で、ルイズがジョセフを引き摺って帰る。 「きゅるきゅる」 『大体こんな感じで終わるでしょう』としめくくった。 ベッドに座ったままのキュルケは、使い魔の言葉を苦笑しながら聞き終わった。 「うーん……決闘前ならそれで終わってるはずなんだけどねぇ。あれよ、決闘終わってからちょっとギクシャクしてたでしょあの二人。その時だとねー……」 ②・キュルケの予想(決闘直後の見解) ジョセフを部屋に連れ込んだキュルケ。ジョセフはいい年してスケベだから誘惑されようモンならホイホイとついてっちゃう。で、ベッドにいざ来ようとした段階でルイズが乗り込んできて―― 「……何――してるのよ……」 どう言おうが言い訳しようもない現場を目撃したルイズ。その手に握られた杖が震える様子が、彼女の怒りだけではない様々な感情が混ざり合っているのを如実に表わしていた。 「ま、待てルイズ。落ち着け。なッ?」 危機を感じ取ったジョセフが、ルイズを宥めにかかる。 だが今のルイズに使い魔の言葉が届くはずもない。 「アンタはッ……そうよ、私を裏切ってッ……!!」 「――とまあ、ブラックルイズ化しちゃう危険性があったと踏んだわけよ。さすがにあの時のルイズとジョセフに手を出したら刃傷沙汰じゃすまないような感じもあったし」 「きゅるきゅる」 『それは確かに』と同意する。 「そもそもこの話はお気楽なラブコメをやろうと思ってたのに、いつの間にかパワフルで頼れるおじいちゃんとワガママだけどカワイイところがある孫娘のほのぼのコメディに変わってきたからそのままいっちまうかァーなんて後先考えてない作者がやってるわけだから」 何を言い出してるんだこの人は、と言いたげなフレイムの視線にも、キュルケはうむうむと頷いた。 「本当は『ゼロ奇妙にはどうにもハーレムラブコメ分が足りない! ここでジョセフ! スケベで孕ませ放題なジョセフでそれなんてエロゲ? をやろう!』とか思ってた……のに。 ギーシュに決闘挑んだ時点であれ? 方向性違う? まあいいややっちゃえーとなって今に至ってるわけで」 フレイムが(もしかして目の前にいる主人は主人の姿をしてるだけで中身が違う人なのでは?)という疑念を抱き始めてきたところで、キュルケは一つ咳払いをした。 「まあそれはさておいて。私もルイズをからかうのはやぶさかじゃないけど、本気で殺意を抱かれたり殺したり殺されたりとかは現時点では望んでないわけ。しかもそれが可能性として高かったあの時期に、ジョセフを誘惑するワケにはいかなかったのよ」 おお元の主人に戻った、と思ったフレイムは、続けて問いかけた。 「きゅるきゅる?」 『じゃあミス・ヴァリエールとジョセフさんが仲良くなった今なら、①で終わるからちょうどいいんじゃないですか? なんなら呼びに行きますよ』と。 だがキュルケは、自慢の赤毛を緩く振って苦笑した。 「だめだめ。今だときっとこんなコトになるわよ」 ③・キュルケの予想(現時点での危険性) ジョセフを部屋に連れ込んだキュルケ。ジョセフはいい年してスケベだから誘惑されようモンならホイホイとついてっちゃう。で、ベッドにいざ来ようとした段階でルイズが乗り込んできて―― 「……何――してるのよ……」 どう言おうが言い訳しようもない現場を目撃したルイズ。 彼女は怒りに満ちた目を隠そうともせず、杖を振り上げるが――その唇から魔法の詠唱が始まることはなかった。 小刻みに震えていた手はやがてゆっくりと、力なく垂れ下がり…… 魔法を唱えるはずの唇から漏れるのは、紛れもない嗚咽。 「ひっ……ひっ、ひぃっ……どうしてよぉ……えっく、うわぁぁぁぁぁああぁあん」 にっくきツェルプストーの前だと言うのに、誰憚ることなく大泣きしだすルイズ。 その姿はまるで親とはぐれて泣くしか出来ない幼子のようだった。 「ジョセフを、えぅっ、あたしのジョセフを、取らないでぇぇぇえええぇ」 泣く子と貴族にはかなわないという諺がハルケギニアにはあるが、貴族で泣いてる子となればもはや太刀打ちできる者は誰もいない。 ジョセフは慌ててルイズに駆け寄り、ルイズは泣きじゃくってバカバカと連呼してジョセフの胸をぽこぽこ叩きまくる。 キュルケはなんか言い様のない罪悪感に圧し掛かられたまま、帰っていく二人の背を見送ることしか出来ませんでしたとさ。 「きゅるー……」 うわ。なんかリアルに想像できた。とサラマンダーが呟く珍しい光景。 「でしょ? それは怖いというか、今まで挙がった①から③まで、どれも有り得そうでしょ。ただルイズをからかうだけでそんな危険な賭けが出来る段階じゃないのよねー」 はぁ、と溜息をついてから、キュルケは再びベッドに倒れこんだ。 「いい男なのよねー、スケベで浮気しそうでお調子者なのを差し引いても。年を取ってるのもダンディだし。あの年であそこまで色々スゴそうなのも普通いないわよね」 「きゅるきゅる」 『ヨダレ。ヨダレが出てますよご主人様』 手の甲で口元を拭う。 「まああれよ。部屋に呼ぶとすれば、もう決戦挑むくらいの気持ちで行かないと。生半可な気持ちでやると大火傷するから、対策はきちんと取っておかないと……!」 「きゅるきゅる」 『おお。さっきまでのメランコリーな気分がもう消えてる。何と言うかあれだな。我がご主人様ながら単純だなー』 艶かしい肢体を熱情の炎に包みながら、拳を握り締めるキュルケ。そんな主人の姿をサラマンダーなのに生暖かく見守るフレイム。 隣の部屋で燃え盛る炎など知ることも無く。 ジョセフは毛布の上で10分間寝息を吐き続け、ルイズは悪夢にうなされていた。 To Be Contined → 第二部『風のアルビオン』
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不可思議な鏡に飲み込まれた時、ジョセフは死すら覚悟していた。 だが鏡が消えた瞬間、まばゆい光の中に存在していたのは自分のみ。 孫の承太郎もDIOの死骸も、自分の周りには存在しない。それだけでも自分のやるべきことを為せた、という安堵感が自分を包んでいた。せめて願わくば、自分が遺して来てしまった愛する者達が悲しまないでくれればいい……今のジョセフが願うのは、ただそれだけだった。 そして更に光が眩しくなって行く中、ジョセフは満ち足りた気持ちに包まれながら目を閉じ――た次の瞬間。 空中に投げ出された浮遊感が唐突に全身を包み、続いて地面に叩きつけられる衝撃がジョセフを襲う。 「ぐふぁっ!?」 衝撃はさほどではなかったが、まだ治し切っていない傷にはやや響く。 「アイチチチチ……な、なんじゃ、ここは?」 余りの状況の変化に、ジョセフは思わずキョロキョロと周囲を見渡す。 気が付いたら、鮮やかな青空と美しい草原が広がっていた。 そして自分を取り囲むように立っている、学生服の上に黒いマントを羽織った少年少女達。……と、見たことあるような動物達と、見たことないような動物……と言うか、明らかな怪物達。 数歩離れた場所には、真ッピンクのロングヘアのチンチクリンな少女(好みにうるさいジョセフの目からしても、十分に美少女と言える類の美少女だ。凹凸がないのもそれはそれでいい――ジョセフはそう思った)が憮然とした顔で自分を見つめ……いや。睨み付けていた。 ジョセフはかつて、ヒマを持て余してぶらりと入った映画館で、ポップコーン片手に見ていたファンタジー映画のワンシーンをふと思い出した。 鼻をくすぐる草の匂い、春を思わせる柔らかな風と日差し。 砂と猛暑のエジプトに慣れていた肉体には唐突過ぎる状況の変化。ジョセフは即座に片膝立ちとなり、左手に持っていた帽子を被る。視線は周囲を注意深く見渡し、どのような攻撃が来ても対処できる体勢を整えるのは、もはや条件反射とすら言っても良かった。 (これは……なんじゃ! スタンド攻撃か!? じゃが……これほどまでに大掛かりな効果を与えるとは考えづらいッ。だとすると、わしは『瞬間移動を食らった』と考えるのが一番無難じゃろうな……) だが瞬間移動だとすると、蘇生したばかりの自分一人ではあまりに分が悪すぎる。 手負いの状態で果たして何処までやれるのか。と、そこまで瞬間的に思考を走らせて、ふと気付いた。 目の前に立っているピンク少女も含めて、少年少女達には殺気が無い。 ピンク少女は怒りがヒートアップしているのが手に取るようにわかる。が、少年少女達は何やら笑いあっている雰囲気こそはあれど、襲い掛かってくる様子など微塵も無い。 聞こえてくるのは「おいおい、サモン・サーヴァントで人間呼び出したぜ?」「しかも平民の爺さんだ」「やったッ! さすが『ゼロ』、俺達には出来ない事をやってのけるッ! そこにシビれる憧れないッ」などとはやし立てる声と、笑い声。 だがジョセフは万が一の場合に備え、どうにでも動ける体勢を続けたまま目の前の少女を見やり。口を開こうとしたジョセフより僅かに早く、少女が口を開いた。 「あんた、名前は?」 「……わしか」コンマ数秒躊躇してから、ゆっくりと名を名乗った。「ジョセフ・ジョースターじゃ。あんたは?」 不本意、という言葉を顔全体でこれ以上ないほど表現しきった憮然とした面持ちで、少女は名乗られた名前を聞き。緩やかに腕組みをした。 「あんた、どこの平民?」 人に名前を聞かれても当然のようにスルー。質問を質問で返される無礼にカチンと来たが、その程度でキレないくらいには年齢を重ねてきたジョセフである。 それにしても『平民』とは。イギリスに住んでいた子供の頃に聞いて以来、やっと聞いたような死語ではないか。 「今はニューヨークに住んでおる」 「ニューヨーク? 聞いたことないわね。どこの田舎よ?」 ジョセフはそう答える少女の表情を見て、彼女は嫌味や皮肉でニューヨークを田舎だと称したのではない、と判じた。 彼女はニューヨークを“知らない”のだ。 「じゃあここはどこじゃ?」 「あんた、貴族に平民がそんな口叩いていいと思ってんの? そもそもあんたみたいな平民がこうやって貴族に口を利いてもらえるだけでも有り得ないことなのよ」 尊大な態度で、膝立ちのジョセフを見下ろす少女。どうやら自分に貴族の威厳とやらを見せ付けて威張っているつもり、らしい。 しかしジョセフは貴族の威厳とやらを非常に大胆にスルーし、現段階で判断できることを頭の中でまとめていた。 (……これは。DIOとは関係がない可能性があるかもしれん……ヤツの手の者なら、このようなまどろっこしい小芝居などする前にわしを殺しておる。手負いのワシなぞ幾らでも殺せるんじゃからな。 そもそも吸血鬼とか柱の男とかスタンドとかあるんじゃ。またわしの知らん『何か』があるとしたって今更驚きゃせんわいッ) そうとなれば、後は情報を収集し、現状を把握せねばなるまい。ジョセフは、しばらく様子を見ることに決めた。 ピンク少女はほんの少しの間、ジョセフを睨み付けていたが勢い良く背を向けると、U字ハゲの黒マントへと駆け寄っていった。 そこで何やら「もう一度召喚を」「春の使い魔召喚は神聖な儀式なので一度きり」などという会話が漏れ聞こえてくる。 (もしかしてアレか) ジョセフはイヤァな予感がした。 (わしは召喚されちまったということか。それも使い魔として! じゃあ誰の! 誰の使い魔じゃというんじゃ!) 答えはとっくの昔に出ている。 しかしそれは認めたくない。出来れば何かの間違いであってくれとすら思う。 1 ハンサムなジョセフは突如としてこの危機を脱するアイディアを思いつく 2 仲間が来て助けてくれる 3 現実は非情である。ピンク少女の使い魔になろう! (1! 1を思いつくんじゃジョセフ・ジョースター!!) ハゲ親父との会話が終わって、ピンク少女がジョセフを振り向く。だがジョセフ自慢の脳細胞は危機を脱するアイディアを思いついてはくれない! (じゃ……じゃったら2! 2でいいッ!) ピンク少女が渋々といった様子でこちらに歩いてくる。現実逃避気味に仲間が来ることを願うが、仲間が来る事がないのは誰ならぬジョセフが一番知っている。 (さ…3かッ! 3しかないというのかッ!) 呆然と跪いたままのジョセフの前に立った少女は、それでもしばらく躊躇ったり視線をそらして再び視線を戻したり、また躊躇ったり。 そして意を決したか、真っ赤になった顔と手に持った杖をジョセフに向け、早口で言い切った。 「……か、感謝しなさいよね! 平民が貴族にこんなことされるなんて、普通はありえないんだから! あんたをわたしの使い魔にしなきゃならないから、仕方なく……そう、仕方なくよ! 仕方ないんだからね!!」 へ? と頭にクエスチョンマークを浮かべたジョセフは、僅かな隙を突かれた。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 ピンク少女が杖を自分の額に当てたかと思うと―― 自分の唇は、少女の唇で塞がれていた。 驚きに見開いたジョセフの視界には、固く固く目を閉じた少女の顔。 その瞬間、ジョセフは (や……役得というやつかッ! これなら別に使い魔になってもいいかもしれんッ!) と、これまでの自問自答を捨てて「3 現実は非情である。ピンク少女の使い魔になろう!」を選んでいた。 だがその幸福感も、ほんの数秒だけだった。 少女が唇を離した瞬間ッ! 『左腕に感じる焼き鏝を押されたかのような痛み』ッッッッ!! 「うおおおおおおッッッッ!!!?」 理解不能理解不能理解不能ッッッ!! 五十年前に失ったはずの箇所から! 明らかに! 焼き鏝を押されたかのような痛みを感じている!! ついぞしばらくしたことのない『左腕を押さえて蹲る』ジョセフを見下ろした少女が、あきれたような声を投げかける。 「大袈裟ねー。大丈夫よ、『使い魔のルーン』が刻まれてるだけだから」 (そりゃお前さんは焼き鏝なんぞ押されたことはないじゃろうからなッ!) という言葉も、左腕から未だ感じてしまう痛みが飲み込ませる。 既に熱は引いたが、義手から感じる痛覚、という奇妙な感覚がジョセフに新たな疑問を生じさせる。本当に何が起こったのか、何か起こっているのか、詳細な情報収集が必要だ。 蹲るジョセフとそれを見下ろす少女をよそに、他の連中はそれぞれホウキやドラゴン空を飛んで去っていってしまった。少女に対して、「お前はレビテーションもフライトも使えないんだから歩いて来いよ!」「じゃあね『ゼロ』のルイズ!」と囃し立てながら。 ジョセフは唖然としてその光景を見上げながら、しみじみとこう思った。 (とんでもないところに来てしまったのォ~~~……) To Be Contined → 戻る